日本と世界の野生のウサギの種類
日本には、野生のウサギは4種類います。
ニホンノウサギ、エゾユキウサギ、エゾナキウサギ、アマミノクロウサギです。
これらのウサギは、主に草や樹皮を食べています。しかし、種類や地域によっては、少しずつ違う食べ物もあります。
ニホンノウサギは本州・四国・九州に広く分布し、トウホクノウサギやキュウシュウノウサギなどの亜種に分けられることもあります。
ニホンノウサギは草や木の葉、樹皮を食べます。一部地域では農作物を荒らすこともあります。
エゾユキウサギとエゾナキウサギは北海道にのみ生息し、前者は雪の上でも走りやすい大きな足が特徴で、後者は小さくて鳴き声が大きいことで知られます。
エゾユキウサギは雪で埋もれた草を掘って食べます。エゾナキウサギは植物の葉や樹皮の他に花やシダ、キノコも食べます。
アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島にのみ生息する固有種で、全身が黒い毛で覆われた原始的な姿をしています。
アマミノクロウサギは
草の他に木の実や果物、椎の実も食べます。
世界の野生のウサギ
世界には、野生のウサギは約60種類います。その中でも最も多くの種類を持つのはノウサギ属で、約30種類が含まれます。
ノウサギ属はアフリカ・北アメリカ・ユーラシアに分布し、日本のニホンノウサギやエゾユキウサギもこの属に属します 。
他にもアナウサギ属やジャックウサギ属などがありますが、これらは日本には自然分布していません。ただし、ペットとして飼われていたアナウサギが野生化した例もあります。
世界に分布するノウサギ属
ノウサギ属(学名:Lepus)は、ウサギ目ウサギ科の属で、約30種類が含まれます。
ノウサギ属のウサギは、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、日本に分布しています。
ノウサギ属の特徴は、前肢が長く、地上を走行するのに適した体形をしていることや、地中に深い巣穴を掘らないことです。
ノウサギ属の中でも最も多くの種類を持つのはユーラシア大陸で、約20種類が生息しています。
その中でも最も広く分布するのはヤブノウサギ(Lepus europaeus)で、西ヨーロッパからシベリアまでの広い範囲に見られます。
また、日本にはニホンノウサギ(Lepus brachyurus)という固有種がいます 。
アフリカ大陸には約10種類のノウサギ属が生息しています。その中でも最も大きな種はキタサバンナノウサギ(Lepus crawshayi)で、体長は60センチメートル以上になります。
また、最も小さな種はエチオピアノウサギ(Lepus starcki)で、体長は30センチメートル程度です¹ 。
北アメリカ大陸には約8種類のノウサギ属が生息しています。
その中でも最も有名なのはジャックウサギ(Lepus spp.)と呼ばれるグループで、耳や後肢が非常に長いことが特徴です¹ 。
ジャックウサギにはオジロジャックウサギ(Lepus townsendii)、オグロジャックウサギ(Lepus californicus)、アンテロープジャックウサギ(Lepus alleni)などがあります。
日本の野生のウサギ
ニホンノウサギは日本の本州・四国・九州に広く分布する日本固有種のウサギです。
佐渡島や隠岐諸島には固有亜種が生息しています。
ニホンノウサギは体長45~55センチメートル、体重1.5~2.5キログラムで、耳は細長く6~9センチメートルあります²⁴。背は茶褐色で腹は白色です。耳の先端は黒い毛で覆われています。
ニホンノウサギは草原や森林などに生息し、草や茎や葉などを食べます。
夜行性で、昼間は藪や木の根元などで休みます。危険を察知すると、時速80キロメートルもの速さで走って逃げます。
ニホンノウサギは年中繁殖が可能ですが、寒い地域では春から夏にかけて繁殖活動を行います。
妊娠期間は約6週間で、1回に1~4子を産みます。子は生まれて1週間で自分で食べるようになり、1か月で独立します。
ニホンノウサギは食用や毛皮として利用されたり、農作物や植林の苗木を食害したりすることもあります¹ 。開発や駆除によって生息数は減少しており、佐渡島の固有亜種は準絶滅危惧種に指定されています。
ニホンノウサギは日本の自然と文化に深く関わる動物です。
エゾユキウサギはユキウサギの亜種の一種で、北海道の平野部から亜高山帯まで広く生息しています。
エゾユキウサギは体長約55センチメートル、体重約2キログラムで、耳は細長く6~9センチメートルあります。
背は茶褐色で腹は白色です。耳の先端は黒い毛で覆われています。
エゾユキウサギは夏毛と冬毛で毛色が変わります。夏毛は茶色で、冬毛は雪に紛れるように白色になります。換毛期は夏毛から冬毛へは9月下旬から12月上旬、冬毛から夏毛へは3月下旬から6月上旬です。
エゾユキウサギは草原や森林などに生息し、草や樹皮などを食べます。夜行性で、昼間は藪や木の根元などで休みます。危険を察知すると、時速80キロメートルもの速さで走って逃げます。
エゾユキウサギは年中繁殖が可能ですが、寒い地域では春から夏にかけて繁殖活動を行います。妊娠期間は約6週間で、1回に1~4子を産みます。子は生まれて1週間で自分で食べるようになり、1か月で独立します。
エゾユキウサギは食用や毛皮として利用されたり、農作物や植林の苗木を食害したりすることもあります。開発や駆除によって生息数は減少しており、佐渡島の固有亜種は準絶滅危惧種に指定されています
エゾナキウサギはウサギ目ナキウサギ科に属する小型哺乳類で、キタナキウサギの亜種です。
エゾナキウサギは北海道の北見山地や大雪山系、夕張山地、日高山脈など、主に800m以上の高山帯の岩場に生息しています。
エゾナキウサギは体長10~20cm、体重60~150gで、耳は細長く2cm程度です。
尾は5~7mmで、ほとんど見えません。目は黒くて丸く、口元は上がっているように見えます。
エゾナキウサギは夏毛と冬毛で毛色が変わります。夏毛は赤褐色で、冬毛は灰褐色から暗褐色になります。年に2回毛替わりをします。
エゾナキウサギは草原や森林などに生息し、草や樹皮などを食べます。
夜行性で、昼間は藪や木の根元などで休みます。
危険を察知すると、時速80キロメートルもの速さで走って逃げます。
エゾナキウサギは年中繁殖が可能ですが、寒い地域では春から夏にかけて繁殖活動を行います。妊娠期間は約6週間で、1回に1~5子を産みます。子は生まれて1週間で自分で食べるようになり、1か月で独立します。
エゾナキウサギは鳴き声を多く発することで知られています。雄と雌では鳴き声が異なります。
雄は「キィッ」または「キチィ」という音を発します。雌は「ピュー」「ピィーッ」などの伸びのある発声と、「ピィツィ」「ピキィ」などの短い発声をします。
エゾナキウサギは食用や毛皮として利用されたり、農作物や植林の苗木を食害したりすることもあります。
開発や駆除によって生息数は減少しており、2012年から準絶滅危惧種に指定されています。